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地球外生命体の化石発見のニュース [サイエンスニュース]


センセーショナルなニュースがありましたね.
ちょっと専門外ですが,とても面白そうな話なので元論文を落として眺めてみました.
驚くことにこの論文は単著(著者が一人)でした.貴重な隕石サンプルを扱うのに単著と言うことはきっと凄い研究者なのかと調べて見たら,やっぱりかなり著名な研究者の様です.

内容をまとめると,以下の様な感じです,
「炭素質隕石の内部から微生物的形体をしたフラグメントが見つかった.元素分析の結果,このフラグメントには窒素がほとんど含まれていないことから,隕石落下(19&20世紀)後のコンタミではなく,それ以前に長い時間をかけて失われたと考えられる.つまり,この隕石が地球落下以前に生きていた生物の化石であると考えられる.」

業績リストを見ると,著者の方は,これまでもこういった趣旨の論文を幾つも書いてきているようです.不勉強で全く知りませんでしたが,今回はさらに踏み込んだ内容なので大きくメディアに発表したんでしょうか.

嬉しいのは論文の最初でこれまでに採取された炭素質隕石のリストが紹介されていて,僕の研究所が採取した隕石がちゃんと紹介されたいたことです.

とても興味深い内容ですが,やはり最大の課題はコンタミの可能性の排除です.実際,どの程度の期間この様なフラグメントを放置しておいたら窒素が抜けるのか?など検証が必要でしょうね,あとは,可能ならば微化石を構成する炭素の放射年代値などを調べたら決定的な証拠が得られるかも.
今後の進展が楽しみです.

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「大絶滅」生き延びた恐竜発見のニュース [サイエンスニュース]


隕石衝突(K/T境界)を生き延びた恐竜がいたかもしれないというニュースです.
論文は,Geologyの 2月号 (39, 159-162)
James E. Fassett, Larry M. Heaman, and Antonio Simonetti
"Direct U-Pb dating of Cretaceous and Paleocene dinosaur bones, San Juan Basin, New Mexico"

センセーショナルな記事ですが,この論文のキモは,
"laser ablation-muiticollector-inductively coupled plasma-mass spectrometer technique"を使った.
つまり「恐竜の骨を使ってダイレクトに年代測定した」という所ですね.

ざっと論文を眺めただけですが,内容を簡単にまとめると,
これまでもK/T境界後の地層からも恐竜の化石が見つかっていたけれど,それらは再堆積とされていた(つまり堆積後に浸食などによって再移動した).

著者らはこの見解に疑問を持っていたようですが(と言うより反対の立場だった),
今回は最先端の年代測定技術を使い,その化石がやはりK/T境界より若いことを証明した.
という感じです.

論点は幾つかあるかと思いますが,僕が思う重要な点は,
年代測定精度は置いておくにしても,
化石のU-Pb(ウラン−鉛法)年代値をAr-Ar法で求めたK/T境界年代と単純に比較できる?
という所です.

かれらは,K/T境界の年代値(6550 ± 30万年)に対して,今回のU-Pb年代(6480 ± 90万年)が有意に若いことから,この恐竜は隕石衝突後に生きていた(死んだ)としました.

しかし,このK/T境界年代値の信頼性については僕は個人的に疑問を持ってます.
実は,この年代値は最近修正されて(Kuiper et al., 2008 Science),6596 ± 40万年とされていますが,この年代の違いはAr-Ar法における標準年代値の違いに起因するものです.
*****************************************************************************************************************
元々のK/T年代(GST2004; Gradsten et al., 2004)は,FCs標準年代を28.02 Ma,
新しいK/T年代(Kuiper et al., 2008)は,FCs標準年代を28.201 Maとしている
*****************************************************************************************************************

最近,僕はこのAr-Ar法におけるスタンダード値について色々勉強をしているんですが,
実は業界的にもまだ標準年代値のコンセンサスは得られていないようです.

去年の僕の論文では,少なくとも最近の地磁気逆転(B-M境界)の年代値に関しては,
これらの標準年代値に基づく地磁気逆転の年代は,他の年代指標による同境界の年代値と一致しないことを報告しました(Suganuma et al., 2010 EPSL).
この見解は,去年末に別の論文(Channell et al., 2010 G-cubed)でも報告されました.
このことは,これらの標準年代値を使ったAr-Ar法は年代を少し古く見積もっている可能性を示唆します.

つまり,僕の意見としては,現時点でU-Pb法とAr-Ar法を使って,6000万年以上前の数十万年の前後関係を決めるのはちょっと厳しいんじゃないかと思うわけです.

個人的には,K/T境界を生き延びた恐竜がいたら面白いなあとは思うんですけどね.




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クレタ島で石器発見:年代はどうやって決めた? [サイエンスニュース]

気になるニュースがありました.



地中海のクレタ島から約13万年前の石器が見つかったとの事.
ホモ・ハイデルベルゲンシス(Homo heidelbergensis)か,ホモ・エレクトス(Homo erectus)という原人が地中海を渡ったかもしれないという興味深い話です.
ヨーロッパに人類が到達したのが5万年前とされていますから,その8万年も前に海を渡ってクレタ島に辿り着いた人類がいたことになります.

ただ,僕が気になったポイントは約13万年前という年代値です.
放射性炭素年代が使えない古い時代ですが,どうやって推定したんでしょう?
石器は洞窟内から見つかったらしいので,年代を調べやすい海の地層でもないですし,火山灰も無いでしょう.
この辺りの年代は結構微妙でハッキリとした数値を出すのは難しいんじゃないかと思いますが,どうやって求めたんでしょうね.

英文記事も探してみましたが,この辺りの詳細は見つけることが出来ませんでした.
ただ,

"the discovery of stone tools at two sites on the island of Crete that are between 130,000 and 700,000 years old"

とありますので,年代値は約13〜70万年前ということらしいですね.
もしかすると,石器の形態そのものから推定したのでしょうか.

どうやらArchaeologyという一般向け雑誌に記事があるようですが,NZで手に入るかな.
元論文があると良いのですが,ぜひ続報ないしは詳細な記事を期待したいです.
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23年度科学技術予算案について [サイエンスニュース]

23年度科学技術予算案が決まったようです.
文科省のサイト(http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h23/1297177.htm

数日前のニュースなので既にご存じの方が多いと思いますが,このブログでも若手研究者の研究環境の問題を取り上げてきましたので,改めてコメントしておきます.

個人的に重要な点は,学振特別研究員に無事に予算がついたことです.
たしか政策コンテストではC評価だったはずですが...ともかく募集しておいて採用無しという事態が避けられて本当に良かったと思います.
僕自身もそうでしたが,学振研究員を経由して研究職を目指す若手が多いはずですから.
有難うございました.

一方で,予算減となった大型プロジェクトですが,南極観測事業は微減で収まりました.
これは国として南極観測事業を継続していく意志があると取りたいと思います.

さて,苦しい国家予算編成の中で一定の評価を頂いた事は嬉しいと同時に責任重大です.
研究者も期待に応えられる様に頑張らないといけません.
来年の南極調査に向けて気合いを入れて取り組みます.ご期待下さい.

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南極地下にニュートリノ観測所 [サイエンスニュース]

南極関係の気になるニュースがあったので,始めてクリッピングを使ってみます.


南極氷床の地下千メートルにニュートリノ観測所を作るとは.
さすがアメリカ.南極点でこんな大規模な計画を実行するなんて想像を超えてます.
下の図は,ネットで見つけた観測所の模式図です.

IceCube_diagram.jpg
http://www.lbl.gov/Science-Articles/Archive/sabl/2006/Mar/07-IceCube.html

約2500 mの掘削抗を沢山掘って,それぞれに写真の観測モジュールを複数吊ったワイヤーを垂らしている様です.
氷床コア試料を採取するわけではないので,掘削は温水で進めたようですね.


ちなみに南極点にあるアムンゼン・スコット基地へは,沿岸のマクマード基地を経由して,直接航空機で向かうことが出来ます.
そしてマクマードへの起点はお馴染みのクライストチャーチで,所要時間は僅か5時間です.

シーズン中のマクマード・クライストチャーチ間のフライトは非常に頻繁なので,数週間だけ南極調査に行ってくるなんて事も可能なわけです.
この充実した輸送体制があってこそ,こんな大規模な研究計画が実行できたんでしょう.

この輸送体制は,1シーズンに「しらせ」の往復1便だけの日本とはずいぶん違いますね.
しかも,しらせの場合は往路に2週間,復路に至っては6週間もかかるので,南極までの時間距離にも大きな差があります.
特に帰路については色々政治的な要因によって時間を無駄にしているので,何とか解決してもらいたいものです.
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