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余震終息と液状化:クライストチャーチ地震続報3 [海外生活]

先日,紹介した地震発生数のグラフに,今日午前までのデータを追加した(赤色部分).

aftershocks.jpg

これを見ると分かるとおり,余震の数・規模共に急激に小さくなったことがわかる.
いよいよ明日から大学も再開だけれど,このまま余震が終息に向かうこと,そして大学内の実験設備が破壊されていない事を祈りたい.

さて,今回の地震によるクライストチャーチ市内の被害は,震源から遠い市東部地域で大きかったようだ.これは,市東部の大部分が海抜ゼロmに近い低地であり,一部は沼沢地を埋め立てた土地でもあるためだと考えらられる.
今回の地震では,こういった地域で液状化(liquefaction:という単語を初めて知った)が発生し,大きな被害がでた.

今回の地震以前から,クライストチャーチ市では地盤の液状化の危険性について詳しく検討していたようだ.
以下の図は,WEB上に公開されているクライストチャーチ市内の液状化危険度の評価図.
赤で示されたエリアは液状化の危険性が高いと判断されていた地域だ.

iquefaction.jpg

僕は,この全域を見たわけではないが,おおよそこの予測通りに液状化が発生したとみられる.僕の自宅や市西部にある大学・空港周辺では,古い建築物などは大きな被害を受けたものの,顕著な液状化は起きなかった.一方,市東部では,車で通過しただけだけれど,明らかに液状化の影響が大きいエリアが多かった.

下の写真では,ガソリンスタンドの基礎が浮き上がってしまっている様子.

data1.jpg

次の写真では,道路中央のマンホールが浮き上がってる様子.
これは,液状化による地下の砂層の脱水とともに,地盤沈下が起きたことを示していると考えられる.

data2.jpg

地震直後の新聞に,クライストチャーチに転居する際に,市が発表していた液状化の危険度情報を検討したうえで住居を選んだため,災害の被害を受けずにすんだという人の記事が載っていた.
やはり,住居を選ぶ際には地質学的リスクも検討することが重要だ.
と言っても東京の僕の賃貸マンションは,液状化リスクが都内で最も高い埋め立てエリアに立っているのだけれども..

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元地理学専攻

こんにちは、地震が縁でここにたどり着きました。大学時代に地理学を専攻して自然地理をすこしかじっていたこともあり、興味深くブログを拝見しました。

大地震も液状化もテレビの中でしか見ていなくて人事でしたが、実際に体験して初めて恐ろしさがわかりました。ぼくもMTBが好きで近郊のコースによくいくのですがどうなっているでしょうか。

これからも頻繁におじゃまさせてもらいますね。
by 元地理学専攻 (2010-09-12 18:58) 

paleomagician

コメント有難うございました.

実は,元地理学専攻さんのブログ,NZに来て以来ときどきお邪魔させてもらって,生活情報を役立てさせて頂いていました.また,マック情報は僕もマック好きなので楽しく拝見させて貰ってました.
もともと地理を専攻されていたんですね.これからも宜しくお願いします.

実は,MTBはつい最近再開した所なんです.
ぜひお勧めコースなど是非教えて頂きたいです.
先週,バトルレイクのコースを見てきましたが,コース自体は影響無さそうでしたが,周辺の住宅地への影響が大きいようで,公園北側は住民以外通行止めでした.

by paleomagician (2010-09-13 06:05) 

タッキー

日本では阪神淡路大震災で一躍有名になった?液状化現象は一瞬にして足元をすくわれるような現象が起こるので恐ろしいですね

余震が減って来ているとのこと、何よりです。
地震で大きなストレスを受けた方々にとっては、不意に襲われる余震には本当に恐ろしい事だと思います。

下の2枚の写真について・・・(間違っていたらすみません・・・)

ガソリンスタンドの画像は、地下式の燃料タンクが浮き上がったものではないかと思います・・・
液状化現象は、地下水の上昇で地盤の支持力が激減すると同時に浮力が発生します。(重量物は、水に沈むように沈下し、タンクのようなものは浮き上がる)


2枚目のマンホールも、浮かび上がってきちゃったんでしょうね・・・
これが下水のマンホールだとすると、地下の下水管はズタズタになってしまい、修理しなければトイレにすら行けないのではないでしょうか・・・
実際、多くの地震や水害などで、下水管に支障が出たようです。

東京のマンション・・・日本の建物(特に臨海地域のような場所)は、しっかりと杭が打ってあったりするので、建物自体は大丈夫だと思うんですが、ライフラインや市街地の崩壊につながるような被害が心配ですね。

by タッキー (2010-09-13 15:12) 

元地理学専攻

どうもです。いやいやウチのブログのお客様だったとは・・・リンクはっておきながらちょっと恥ずかしかったりします^^
Bottle Lakeは僕が一番よく走るコースなので気になっていました。大丈夫そうなので少し安心。MTBは始めて2年弱ですが、遊び相手を捜しておりました。今度どこかご一緒しましょう。
Google Analyticsでクライストチャーチでウチ以外でMacからのアクセスがあるのを確認しておりましたが、paleomagicianさんだったのですね。まだまだ初心者ですのでよろしくお願いします。
by 元地理学専攻 (2010-09-13 18:51) 

paleomagician

タッキーさん有難うございます.
なるほど,ガソリンスタンドの地下燃料タンクが浮き上がってしまっているんですね.勉強になります.
下水に関しても仰るとおり,水道・電気は戻ったものの,下水の復旧に時間がかかっている地域があるそうです.

東京での住居はまさに臨海地域でした.あそこで今回の規模の地震が起きると思うと,かなり怖いですね.
やはり備えをしっかりしなくては..
by paleomagician (2010-09-14 19:13) 

paleomagician

地理学専攻さん
すみません,密かに読者をしておりました(笑).

MTB,僕も初心者ですが,ぜひご一緒させて頂きたいです!
ではでは宜しくお願いします.
by paleomagician (2010-09-14 19:21) 

nodam82

 来週、クライストチャーチを訪れる予定でいますので、今回の地震に関する在住の方のご意見を伺いたくて、ジプシーの如くページを流離ううちに、あまりに専門的なこのページに辿り来てしまいました。

ご専門でいらっしゃるので、地震の瞬間を切り取った、どんな些細な景色
のお写真のコメントにも、深い視線が伺われて、只ただ勉強させて頂いている気分で拝読させて頂きました。
(必死に読めば読むほど、NZを訪れるのが恐ろしくなってしまいました。)
 
 まだ完全に安心できる状態では無いようですので、 トランクの準備だけでなく、万が一の再地震に備えて出発前に部屋を完璧にお掃除する事に致しました。(これで、掃除が下手な娘だったとコメントされる不名誉は免れますでしょう…)

地震予知・予言など胡散臭い検索の果てに、ここに辿りつけて良かったです。3年前に訪れた美しいテカポブルー、神様のパレットにあるような不思議な色をたたえた湖やマウントクックが、あんまり美しく沢山の姿で映っていて、懐かしくて見つめ続けました。

今回の地震でも、この地域は被害は無かったのでしょうか。もしもお時間があればコメントでお教えください。
地震の記事だけでなく、他の記事も心惹かれて一気に拝見致しました。南極観測の事も、そのうちに書いて下さったら楽しく見せて頂きます。

とても読み応えのあるブログをありがとうございました。
by nodam82 (2010-09-16 00:10) 

paleomagician

nodam82さん
コメント有難うございます.少しでもお役に立てて嬉しいです.

非常事態宣言も全面的に解除されて,クライストチャーチは落ち着きを取り戻しつつあります.
市内の観光スポットも,少しずつ復旧が進んでいますし,来週には再開するところも多いのではないでしょうか.
観光情報は以下のサイトで詳しく紹介されていますので,ご参考までに.
http://allabout.co.jp/gm/gc/290884/

ただ,頻度は落ちたとは言え,まだ余震が来ていますので,懐中電灯など,非常用の装備も揃えていらっしゃった方が良いかもしれませんね.

今回の地震は,震源がクライストチャーチのすぐ近くだったため市内の被害は大きかったですが,テカポ湖やマウント・クックは震源から相当離れており,被害は無かったと思います.

実は,このブログは南極観測を紹介するための「助走」でもあるんです.もう少ししたら,書き始めたいなと思いますので,お楽しみ下さい(笑).
by paleomagician (2010-09-16 17:46) 

nodam82

 お忙しくていらっしゃるのに、早々にお返事を頂戴できて恐縮してしまいました。 

 他の方からの、知性香りたつコメントの数々も、気合いを入れて拝見させて頂き、人生で初めて理系の世界に興味深く触れさせて頂いた気分です。
 俄かに、地震関係の単語に強くなれて幸せです。

 NZの生活情報のサイトもご紹介下さってありがとうございます。
早速覗かせて頂きました。
 
 こんなに沢山の情報を盛り込んだサイトがあったのですね。ご紹介があった余震状況のサイトと併せて、全部読み尽して、しっかり自信をつけてから、CHCを辿ることに致します。
 
そして、懐中電灯・非常装備…とのことですね。
 
 …これらを所持すると、残念ながらヒラヒラフワフワとは、街を歩けませんので、(バッグパッカーみたいな姿になりそうなので)…謹んでご辞退をお許し下さい。
 
万が一の時は潔くレンガに潰されて、恐竜博物館の化石気分を味わいますので…。

 場違いな訪問者で、本当にすみませんでした。南極観測ブログに向けてどうぞ、ひた走って下さい。楽しみにお待ちします。ありがとうございました。 

by nodam82 (2010-09-17 17:11) 

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